マングローブ林: 変わりゆく海辺の森の生態系 (学術選書)
08/27/2020 23:12:42, 本, 小見山 章
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によって 小見山 章
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内容紹介 エビの養殖や炭焼き産業、スズの採掘で荒廃してきた生物多様性の宝庫「マングローブ林」は再生できるのか。原生林が残る時代からほぼ全域が二次林化した時代、荒廃地を植林で再生する時代へ、海辺の森の変貌を35年にわたって見つめてきた著者によるマングローブ研究の集大成。後戻りはしない自然とのつきあい方を探り、これからの地球環境を考える。 内容(「BOOK」データベースより) エビの養殖や炭焼き産業、スズの採掘で荒廃してきた生物多様性の宝庫「マングローブ林」は再生できるのか。原生林が残る時代からほぼ全域が二次林化した時代、荒廃地を植林で再生する時代へ、海辺の森の変貌を35年にわたって見つめてきた著者によるマングローブ研究の集大成。後戻りはしない自然とのつきあい方を探り、これからの地球環境を考える。 商品の説明をすべて表示する
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マングローブの原生林が急速に消失していくのと同時代に研究者生活を歩んだ著者の思い出を追いながら、自然にマングローブという生態系のあらましが理解できるように書かれた好著です。ノーベル文学賞を受賞したイシグロ氏の代表作『日の名残り』の中でスティーブンスが古き佳き時代の英国上流家庭の追憶を語っているのとちょっと似ていると思いました。本書の中でも書かれているように、どこへ行っても原生と呼ぶことのできるような森林をまず目にすることができなくなったのは、マングローブに限った話ではありません。森林だけでなくたぶん湖沼や海洋でも事情は同じでしょう。そのことは肉食性の大型動物の不在ということに象徴的に現れるようですが、著者が立派に育った再生二次林の中に入ってももとの原生林にあった荘厳さや安定性を感じられないと述べているように、原生林を経験した人にしか実感できない、また学術論文では書くことができないような生態系そのものの精妙な違いがあるのだと思います。西表島の小さいながらも美しいマングローブのほとりに立っていると何か心の洗われるような気持になるのも、それが原生の要素をまだ幾分とどめているためかも知れません。原生の記憶が全人類から失われてしまう前に証言を残したいという著者の思いはよくわかります。自然環境の保全や再生といえば生態系サービスばかりが引き合いに出される昨今ですが、本書の最後に述べられているように、たとえ到達不可能な極限値としてではあっても、原生の生態系を目標像として視野の中に置いた自然とのかかわり方が求められているのだろうと思います。
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