日本酒鑑定官三十五年―おいしい日本酒の造り方、味わい方
09/11/2020 05:00:57, 本, 蓮尾 徹夫
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によって 蓮尾 徹夫
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内容(「BOOK」データベースより)おいしい日本酒はどう造るのか?利き酒の仕方は?日本酒の上手な飲み方は?日本酒鑑定官として三十五年、冬は各地の蔵元をまわって酒造りを指導。夏は利き酒しながら品質を審査して秋の出荷に備える。一年間に利き酒で口に含む酒は数千種あまり。焼酎や泡盛、ワインの技術指導から密造酒や輸入ウイスキーの分析まで、酒にかかわることなら何でもやる鑑定官の仕事をはじめて明かす。著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)蓮尾/徹夫 1943年福岡県大牟田市生まれ。九州大学農芸化学科卒業。1967年国税庁入庁、2002年退官するまで、国家公務員。名古屋国税局鑑定官室を振り出しに、大阪、福岡、関東信越、東京国税局の鑑定官室に勤務。東京の鑑定官室長を最後に退官。国税庁醸造試験所の研究員、主任研究員を歴任、微生物の研究により東京大学より農学博士を授与。国税庁の酒類行政にも鑑定企画官、酒類監理官として携わる。2002年より日本酒造組合中央会の技術・焼酎担当理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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国税庁日本酒鑑定官という人たちがいる。1年間に数戦ものお酒を利き酒するという仕事だ。もちろん、利き酒するだけではなく、技術指導し、時にはお酒の普及のために新しい商品の企画すらも行なう。利く酒も日本酒にはとどまらず、焼酎や泡盛、ワインまである。蓮尾氏は国税庁で35年2ヶ月にわたって鑑定官として活躍してきた人だ。いわば、日本酒を陰で支える仕事をしてきたというわけだ。それだけに、本書の最大の興味は、鑑定官というのがどういう仕事なのかということに尽きる。実際のところ、どういう仕事だったのかは、読んでいただければと思うが、肝臓に負担がかかり、髪の毛が少なくなるような仕事について、蓮尾氏は淡々と語っていく。その中でもう1つ気付くのは、この35年の間にお酒がどのように変わっていったのか、その歴史が浮かび上がる事だろう。入庁時は、吟醸酒がまだまだめずらしく、初めて飲んだ蓮尾氏はびっくりしたというエピソードも書かれている。さらに級別廃止や消費量の減少といったことも語られる。鑑定するということは、評価を下すというだけではなく、どういった商品なら市場に受け入れられるのかということまで考えていかなければならない。そういう35年だったという事だ。蓮尾氏は現在、日本酒造組合中央会の理事である。本書を書いたきっかけは、最初こそお酒のことをのんびり書こうというものであったが、前述のように消費は減少し、「間違ったことを書いているお酒の本が出回っている」という危機意識による。中でも「日本酒よりも焼酎やワインの方が体にいい」というような言説に対して、「日本酒も体にいい」ということを示した「日本酒健康法」の章は、本書のもう1つの特徴となっている。グラフやデータなどを示した、説得力のある文章だ。日本酒の造り方や味わい方、歳時記まで書いた本書の後半の中でもこの部分は読んでためになる。何より、薬として適量を飲むということを、蓮尾氏は強く訴えている。今後、日本酒はどんな展開をしていくのか。本書から読み取れるのは、ソフトタイプの日本酒の定着と、文化性を中心に据えた日本酒の復権を目指すということになるだろうか。まさにそのことが、蓮尾氏の現在の仕事なのだろう。
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